今回は本日開催された日本選手権 男子1万mについて取り上げていきます!
「世界陸上の派遣選手が決定する大会」「日本歴代1~3位が直接対決をする」という記事なども最近多く取り上げられており、陸上ファンの中にも注目していた方は多いのではないでしょうか。
今回はつい先ほど終了した「日本選手権男子1万mの結果」「今大会のポイント」を、陸上歴15年の私からお伝えします!
日本選手権男子1万m結果
まずは2022年5月7日(土)に開催された日本選手権男子1万m結果は下記の通りです。
順位 | 選手名 | 所属 | タイム |
1位 | 相澤晃 | 旭化成 | 27:42.85 |
2位 | 伊藤達彦 | Honda | 27:47.40 |
3位 | 市田孝 | 旭化成 | 27:49.12 |
4位 | 大池達也 | トヨタ紡織 | 27:53.79 |
5位 | 太田智樹 | トヨタ自動車 | 27:54.88 |
6位 | 松枝博輝 | 富士通 | 27:57.72 |
7位 | 森山真伍 | YKK | 27:59.90 |
8位 | 栃木渡 | 日立物流 | 28:02.47 |
9位 | 塩尻和也 | 富士通 | 28:04.70 |
10位 | 田澤廉 | 駒澤大学 | 28:06.34 |
11位 | 鎧坂哲也 | 旭化成 | 28:08.13 |
12位 | 茂木圭次郎 | 旭化成 | 28:08.71 |
13位 | 清水歓太 | SUBARU | 28:09.86 |
14位 | 丸山竜也 | トヨタ自動車 | 28:13.15 |
15位 | 古賀淳紫 | 安川電機 | 28:19.74 |
16位 | 井川龍人 | 早稲田大学 | 28:23.16 |
17位 | 池田燿平 | カネボウ | 28:26.35 |
18位 | 井上大仁 | 三菱重工 | 28:26.93 |
19位 | 野中優志 | 大阪ガス | 28:29.40 |
20位 | 中村信一郎 | 九電工 | 28:47.07 |
21位 | 村山紘太 | GMOインターネット | 28:48.19 |
22位 | 西山和弥 | トヨタ自動車 | 28:50.24 |
23位 | 川瀬翔矢 | Honda | 28:58.05 |
24位 | 相葉直紀 | 中電工 | 28:58.06 |
25位 | 川田裕也 | SUBARU | 28:58.25 |
26位 | 三田眞司 | サンベルクス | 28:58.87 |
27位 | 細森大輔 | YKK | 29:01.40 |
28位 | 岡本雄大 | サンベルクス | 29:17.16 |
29位 | 中村高洋 | 京セラ鹿児島 | 29:24.82 |
日本記録保持者の相澤選手と日本歴代3位の記録を持つ伊藤選手が1・2位でゴールするという結果となりました。
注目ポイント
今回の注目ポイントは日本歴代1~3位のタイムを持つ選手たちの直接対決というところが大きなポイントでした。
まず、日本記録保持者の相澤晃選手(旭化成)は、東京五輪でも1万mの日本代表として出場し、現在日本最強のランナーとして知られています。
続いて田澤廉選手(駒澤大学)は、12月の記録会にて27分23秒44のタイムをマークし、世界選手権の参加標準記録を現時点で破っている唯一の選手として注目されていました。
※標準記録切りの田澤選手については、本大会で3位以内に入れば世界選手権の出場が内定となります。
最後に伊藤達彦選手(トヨタ自動車)は、相澤選手と同様に東京五輪の1万mで日本代表として出場した選手であり、相澤選手と大学時代から競うことが多く、粘り強さに定評のある選手です。
試合の解説
今大会は世界選手権につながる大会でもあることから、上記3選手のレース展開が大きく注目されていましたが、試合について解説していきます。
①前半(スタート~5000m)
ペースメーカーの外国人選手が引っ張りをしていたものの、世界選手権につながる大事な大会であることから、序盤から3選手が横並びで走っていました。
タイムも世界選手権派遣標準切りのペースからは遅れており、鎧坂選手や市田選手など実力者も同じ集団で走っていることなどもあり、多くの選手が3位以内を目指すためにペースがなかなか上がらない状況でした。
4000m地点では井上選手や松枝選手が前を走る外国人選手についていき先頭集団を形成していたものの、5000m地点では相澤選手ら3選手含む後ろの集団に吸収されていきました。
②中盤(5000~8000m)。
相沢選手をはじめとした3選手はこの時点ではともに余裕を持っており、3名が相変わらず近い位置で走っている状態でした。
世界選手権派遣標準タイムを切るようなペースではないものの、27分台ペースで走っていたこともあり、他の日本人選手もペースを大きく上げることはありませんでしたが、7000m地点で鎧坂選手がペースを上げ、トップ集団のペースが一気に上がりました。
ただ、世界選手権の出場を狙う3選手は、ペースが上がっていく中でも、どのタイミングで仕掛けるかを考えながら位置取りをしているようでした。
③終盤(8000~ゴール)
8000m地点で相澤選手が周りの選手の様子を確認したうえ、一気にペースを上げました。
他の選手はここで少し離されていましたが、相澤選手は前の外国人選手(ペースメーカー等)とともにロングスパートをかけていきました。
2位集団については、伊藤選手がペースを上げ、市田選手などとともに相澤選手から5mほどの距離を粘りながら走っていました。
しかし田澤選手は8000m地点から苦しそうな表情となり、徐々に後の集団に吸収されてしまいました。
その後は、ラストスパートをかけた相澤選手が逃げ切り、無事に1着でゴールし、続いて伊藤選手が2着でゴールしました。
今回3位以内であれば世界選手権の出場が内定する田澤選手は10位でのゴールとなり、悔しそうな表情を浮かばせました。
まとめ
今回の大会では、日本記録保持者の相澤選手が実力を発揮し、見事優勝、そして伊藤選手が続く準優勝となりました。
ただし、両選手ともに世界選手権の派遣標準記録を切っていないため、今大会では世界選手権の内定選手がおりませんでした。
田澤選手が3位以内に入れば内定していたのですが、4月からの記録会などでの疲労がなかなか取れなかったようで、内定についてはどうなるか分からない状態となりました。
ただし、今大会では上位6選手が27分台でゴールするなど、ここ数年で陸上長距離界のレベルは確実に向上していることもあるので、ぜひオレゴン世界選手権でも日本人選手の活躍を期待して、内定者が出るか楽しみに待ちたいと思います!
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