陸上競技会での当日の過ごし方



4月の時期は陸上競技のシーズンインとなり、陸上の競技会へたくさん参加するようになるかと思います。

各都道府県の陸連も4~6月に多くの大会を設けており、冬の時期に鍛えた成果を出すには大事なシーズンだと思います。

また、9月以降には合宿を乗り越えた新入生たちも本格的に大会に出場し始め、モチベーションが高まっている時期になるかと思います。

しかし、読者の中には「大会の時にはどのように準備運動をすればいいの」と悩む方や、「練習では走れるけど、大会になるといつもの走りができない」という悩みを持つ方も多いのではないかと思います。

そんな悩みをお持ちの方に向けて、本日は「大会当日の過ごし方」にフォーカスをあてて紹介していきたいと思います。

大会当日の流れ

今回は10時30分に試合がある場合を想定して、大会当日に私が行っていたことを時系列にまとめてみました。

時間帯行動
7時00分起床
8時00分大会会場に到着し,大会パンフレット(試合要綱)を確認
8時15分ゼッケンの準備
8時30分1次アップ開始
9時00分アップ終了~ストレッチ&休息
9時30分コール(招集)
9時45分2次アップ開始
10時10分スタート地点へ移動
10時30分試合スタート

約15年間の陸上競技生活を通して色々と試してきましたが、大会当日については、主に上記のような流れで私は準備をしていました。

それでは、それぞれの詳細について説明していきます。

①起床



大会当日の朝は必ず試合の3時間以上前に起床してください。

体は目覚めた瞬間から徐々に起きてきて、大体3時間後に完全に身体機能も目覚めると言われています。

そのため、一発勝負で実施され、特に午前中に試合の行われることが多い大会においては、試合の3時間以上前に起きることをお勧めします。

②大会会場に到着し、大会パンフレット(試合要綱)を確認

大会会場に到着したら初めにしてほしいことは、大会パンフレット(試合要綱)を読んでいただくことです。

特に確認が必須となるのは以下の2点です。

  • コール(招集)時間
  • 出走組

まずは、「コール(招集)時間」の確認についてです。

コール(招集)とは、試合当日に行われる出場意思の確認のことです。こちらはおよそ試合の1時間くらい前に行われることが多いのですが、大会運営上、出場者がどれだけいるかの確認をするために、運営スタッフが指定の場所において参加確認をします。

この招集に1分でも遅れると参加意思がないとみなされ、出走することができなくなるので、必ず時間に遅れないように,初めに確認することをお勧めします。

(実は私が初めて参加した大会で、コールの存在を認識しておらず走ることができなかった経験があるので、同じような経験を読者の皆様にしてほしくないという思いがあります。実際に当日は棄権扱いとなってしまい、今でもその時の悔しさは鮮明に覚えています。)

続いて、「出走組」です。

出走組を確認する理由としては、特に中長距離種目の場合、1組走るたびに5分近くの時間がかかることがあります。

というのも、出走組が後半なのにも関わらず、1組目の時間に合わせてウォーミングアップをしてしまうと、走り出すころには体が冷え切ってしまい、本来のパフォーマンスを発揮できなくなってしまうという問題があるからです。

招集時間と合わせて、出走組についても早い段階で確認し、その後のウォーミングアップのスケジュールを調整してみてください。

③ゼッケンの準備

大会前日に準備をする人も多いのですが、一次アップまで時間があることがほとんどなので、私はこの時間にゼッケンの準備をしていました。

ゼッケンの番号を間違えるとその後のコールなどで非常に焦ることになるので、間違いのないように注意深く書くことをお勧めします。

④1次アップ開始

アップについて、私は試合前に2回に分けて行っていました。

これは諸説ありますが、2回に分けて実施することで身体をほぐすことができ、パフォーマンスをより発揮させるという効果があると言われています。

まず、試合まで2時間前となったタイミングで一次アップを開始します。

私はここでは以下の準備をしていました。

  • 軽めのジョグ(5分ほど)
  • 準備体操
  • 短めの流し
  • 8割程度の400m走

まず軽めのジョグ〜準備体操については、普段の練習と同じ方法でアップをしていました。

その後、疲労に繋がらない程度に80m×3の流しを8割くらいのスピードで行っていました。

そして最後に400mを8割程度のスピードで1本走ることで、スタート直後の急激なスピードアップに対応できるように体を慣らします。

「400mを走ってしまうことで疲労が溜まってしまうのでは」と思う方も多いかもしれませんが、試合2時間前の1次アップでは疲労感はほとんど残らないので、ご安心ください。

むしろ身体を温めることが出来るので、積極的に取り入れることをお勧めします。

⑤アップ終了~ストレッチ&休息

1次アップが終了した後は、普段の練習後のダウンと同様に、一度ストレッチをしながら身体を休ませます。

この時点での休息において大事なこととしては、完全なオフモードにしないということです。

例えば、休息をするにあたって、寝そべる人がいるのですが、一度温めた身体を完全なオフモードに戻してしまうので、寝そべったり寝たりしないようにしてください。

個人的な経験としては、この時間では日が当たらない場所で座りながら、「チームメイトとの談笑」もしくは「他種目の試合観戦」をしていることが多かったです。

「チームメイトとの談笑」はリラックスをしたいときにしていて、「他種目の試合観戦」は集中力やモチベーションを高めたいときに行っていました。

⑥コール(招集)

続いて、2次アップに行く前にコールに向かいます。

【②大会会場に到着し、大会パンフレット(試合要綱)を確認】でお伝えした通り、大会パンフレットで確認した時間に絶対に遅れないようにコール場所に向かってください。

また、ここではゼッケン番号の確認をされることが多いので、ゼッケンをつけたユニフォームを着用の上コール会場に向かうようにしてください。

多くの選手はウインドブレーカーなど、着脱しやすい上着の下にユニフォームを着用しています。

実は私も初めてのレースでコール漏れを経験し、デビュー戦を後ろ倒しする羽目になったので、くれぐれも「招集時間に遅れた」なんてことが起きないように気を付けてください。

※招集時間に遅れて失格になることを「コール漏れ」と言い、トップ選手になってもコール漏れを経験する選手がいます。

⑦2次アップ開始

そして2次アップです。

試合の45分前くらいに最後のアップに向かいます。

ここでは、軽めのジョグ・ストレッチ・流しの3点を短く、スピーディーに行い、体が戦闘モードになるよう温めていきます。

私は、この時はジョグ5分、ストレッチ5分、流し120m×2本ほど9割のスピードで行っており、ストレッチでは動的ストレッチを意識的に取り入れて、流しでは「1本目:スタートから120mまでを意識して」「2本目:ゴールまでのラスト120mを意識して」走っていました。

⑧スタート地点へ移動

すべてのウォーミングアップが終了したら、スタート地点へ移動します。

この時はスパイク(またはレーシングシューズ)、ユニフォーム、タオル、ドリンクなどの必要最低限のアイテムをもって移動しますが、付き添いがいる選手の場合、付き添いの選手に荷物も持ってもらうようにすると、よりリラックス状態につながります。

また、スタート地点に到着してから走り出すまで15分近く間がある場合は、ウォーミングアップして温めた身体が冷えてしまうので、スタート地点付近で動的ストレッチを行ったり、軽い流しをして、積極的に身体を動かしましょう。

⑨試合スタート

いよいよ試合がスタートします。

ここでとにかく意識することとしては、「スタートの1歩目に全集中する」ということです。

とにかく1歩目で出遅れるだけで、レース中に焦りペースが乱れたり、イメージと違った走り(レース展開)となることもあるので、1歩目から周りの選手からリードする意識で走り出すことで、試合を優位に運ぶことができます。

「いままでの準備運動はすべてスタートの1歩目に向けたもの」と意識することで、より集中して試合に取り組めると思うので、上記のような心づもりで試合に取り組んでみましょう!

まとめ

本日は、陸上競技会における当日の準備を説明してきました。

私は陸上競技歴15年をかけて徐々に最適なやり方を探し出し、このような流れで準備をするようになりました。

読者の皆様にも今回の記事を参考にしていただき、自分なりのルーティーンなどを見つけ出してほしいですが、まずは大会慣れしていない方については、今回の記事を読んでいただくことでどんなことをすればいいか分かってくるかと思います。

大会は月に一度程度しか開催されないので、慣れるまでは少し時間がかかると思いますので、ぜひブログを参考にして自己ベストを出せるようにしてくださいね!

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