今回はお正月の大人気イベント箱根駅伝について取り上げていきます!
「お正月は実家でなんとなく箱根駅伝をテレビ観戦してる」「とりあえず毎年見てるけどなんとなくしか知らない」という方も多いのではないでしょうか。
お正月期間の1月2日・3日の2日間に各日6時間ほど放送される一大コンテンツですが,なかなかその楽しさを完全には理解できていない視聴者の方も多いのではないでしょうか。
そのため,今回は「箱根駅伝で注目すべきチームはどこなのか」「箱根駅伝の面白さを知りたい」という方々に向けて,陸上歴15年の私から,注目してほしいポイントをお伝えします!
箱根駅伝はなぜ人気なのか
箱根駅伝は毎年視聴率40%近くをたたき出し,年間のテレビ番組全体をとおしても最も人気のあるコンテンツと言えるでしょう。
スポーツコンテンツとして卓越した集客力ある箱根駅伝ですが,なぜここまで人気を集めているのでしょうか。
ここからは箱根駅伝がなぜ人気なのかを解説していきたいと思います。
自分や親戚と関わりのある大学が出場
まず大きな理由の1つとしては,自分や親戚の誰かにかかわりのあるチームが出場するというポイントがあります。
6時間の長丁場の試合となることもあり,自分と関わりのないチームを見るだけではなかなか楽しむことのできない試合であっても,自分とどこかでつながりのあるチームが出場することで,「自分事」として試合を観戦することが出来るようになるかと思います。
「甲子園」などにも共通点があるかもしれないですが,これはアマチュアスポーツならではの強みだと思います。
ルールが簡単
もう一つのポイントしては,ルールがとても簡単だということです。
おおまかに駅伝時の選手の動きを説明すると,「タスキをもらう」➡「走る」➡「タスキを渡す」という非常に簡単な3ポイントで簡潔に説明が可能です。
走っている最中の選手にとっては,ペース配分や走る位置などを常に考えながら走っているため,一概には簡単ではないのですが,観戦するにあたっては特に予備知識なしでも楽しめるスポーツです。
このようなポイントもあり,老若男女問わず誰にとっても楽しむことのできるコンテンツとなっています。
注目したいポイント3選
それでは,ここからは陸上歴15年の私が考える箱根駅伝で注目してほしいポイントをお伝えします。
6時間ほどの熱戦をずっと観戦することはよほどの駅伝オタクでないと難しいかと思いますので,箱根駅伝で特に注目してほしいポイントを3つに絞ってみました。
1区の攻防
近年の箱根駅伝は,学生のレベルアップに伴い,高速レース化が注目されています。
5年ほど前には5000m13分台の選手はなかなかいなかったのですが,近年ではどのチームにも必ずと言っていいほど13分台のレベルの選手が在籍しています。
そのような全体的なレベルアップに伴い,ここ数年最も注目される区間となってきたのが1区なのです。
というのも高速レースが展開されるようになったことで,往路で順位がおおよそ決まるという現象がここ数年で起きるようになったからです。
そのため,1区でどれだけ良い位置につけるかが最近の箱根駅伝では何よりも重要となり,各大学エース級の選手を置くようになってきたこともあり,大学陸上界のエース選手の駆け引きも見どころの1つとなっています。
2区のエース対決
続いては華の2区です。
上記と同様の理由ですが,ここ数年で学生陸上界のレベルが飛躍的に向上していることもあり,オリンピックや世界大会に出場する学生も徐々に現れるようになってきました。
そこで,全体的なレベルアップに伴い,エース区間である2区についても急激なレベルアップをしています。
全区間の中でも距離が比較的長く,高低差が大きいコースを走る区間のため,単純に速いだけでなく強さ(タフさ)が求められ,大きな差がつきやすい区間となります。
特に優勝争いをするチームの2区には日本を代表する選手が置かれることも少なくないので,日本トップレベルの走りを見ることも出来ます。
5区山登りでの逆転劇
続いては山登りの5区です。
約15年前に,当時順天堂大学に所属していた今井正人選手が5区で区間新記録の走りを見せて以降,距離と走行時間が最も長い5区の重要性が大きくなっていきました。
特にここ10年間では,5区の区間賞をとったチームがほとんど優勝しているという事実もあるなど,「10区間の中で最も重要な区間」と表現する監督も多いです。
箱根駅伝を楽しむためにも,この5区を注目してみると,先頭争いが見られるので,注目したい区間となります。
注目チーム(三強)
続いて,箱根駅伝2023大会において特に注目したいチームを紹介していきます。
2023年の箱根駅伝においては三強と呼ばれる注目チームが3校あります。
青山学院大学
まずは押しも押されぬ最強チームの青山学院大学です。
今年箱根駅伝を走った選手のうち,1・2・3・5・7・8・9・10が残るという驚異的なチームであり,優勝メンバーが多く残っていることもあり,「勝ち方を最も知っている」チームと言えます。
選手層が厚いという点においても全大学の中で最も充実しており,数年前までは大学全体でも数名しかいなかった1万m28分台の選手を10名以上有しているチームです。(他チームであれば2区を走ることの出来るような選手がたくさんいます。)
また原監督の指導の中でメンタル面も鍛えられた選手が多く,試合の中で失敗をするような選手も少ないということも強さの要因となっています。
選手層やメンタルの強さからも,失敗しないチームと言えるので,ここ数年の実績を見てもわかる通り,非常に強いチームです。
駒澤大学
続いて,青山学院大学よりも多い,今年6区を走ったメンバー以外の9名が残るチームが駒澤大学です。
こちらもチーム力で言えば青山学院大学と互角のチームとなります。
特に田澤廉選手と鈴木茅吹選手という2選手は,昨年の日本選手権1万mで2位と3位になった実力者であり,田澤選手に至っては1万mの大学記録を持ち,世界選手権の代表入りを決めているなど,大学長距離界を代表する選手です。
上記2選手だけでなく,その他の選手についても28分台で1万mを走る選手が多く在籍するため,往路だけで考えると青山学院大学と比べても戦力が充実しています。
順天堂大学
続いては今年3位に入った順天堂大学です。
実際に今年出走した1・2・3・4・5・7・9区の選手が残っているため,往路で言えば全選手が残ることもあり,戦力の面でもとても充実しています。
また,駒澤大学の田澤選手と並んで,大学長距離界を代表する三浦龍司選手が在籍していることもあり,エースの強さで言うと,三強の中でも十分トップ争いのできるチームです。
三浦選手は東京オリンピックの3000m障害に出場し,日本史上初7位入賞を果たしています。
トラック競技では少なくともここ2年間でほとんど日本人に一度も負けたことがないなど,最強の大学生です。
また,三浦選手以外にも伊豫田選手・石井選手など駅伝で大活躍をしている選手もいるため,全体的なチーム力としても非常に安定感のあるチームです。
以上が2023年の箱根駅伝において三強と呼ばれるチームとなります。
いずれのチームも先ほど紹介した注目区間の1・2・5区を今年走ったメンバーを有していることもあり,他チームと比べると実力は抜きんでている印象があります。
注目チーム(番外編)
ここからは,三強以外で注目したいチームについても紹介していきたいと思います。
東京国際大学
まず,三強と互角に争うことのできるチームとしては東京国際大学が筆頭となります。
東京国際大学も10区以外の選手が今年出走したメンバーから残るため,戦力は充実しています。
また,世界レベルの走りを見せてきたイエゴン・ヴィンセント選手や国内トップレベルの走力を持つ丹所健選手もいるなど,エースの実力で考えても駒澤大学とも張り合えるレベルの戦力です。
1区で順調にタスキ渡しをして,その後のエース区間で順調に進んでいくことで前半区間で勝負を決めるだけの爆発力があるチームなので,ダークホースとして挙げられるでしょう。
創価大学
続いては2021年大会で準優勝した創価大学です。
このチームも安定感があり,また外国人留学生や日本人選手でも嶋津選手が実力者であるため,3位以内を狙える位置にいる実力あるチームです。
東京国際大学と比べると爆発力は劣るという見方が多いですが,失敗が少ないチームという印象もあるため,悪天候など不測の事態が生じたときには,強みの安定感を生かして優勝を狙える可能性もあります。
中央大学
続いては中央大学です。
ここ数年は予選会出場なども続いていたチームですが,今年は吉井選手が1区で区間記録をたたき出したこともあり,2023大会でもその実力を発揮すれば前半から目立ってくる可能性が高いです。
1~2区がうまくハマった場合,往路優勝をする可能性も秘めているチームとなります。
東洋大学
最後に東洋大学です。
東洋大学の強みとしては2区に絶対的な安定感を持つ松山選手がいるということです。
1・2年時で2区を走り,いずれも上位の区間順位でタスキ渡しをしているため,2区を得意としているようです。
2区で上位で走れるということもあり,往路でよい順位で走れるという安定感があり,選手も自信をもって走ることが出来ます。
また,駅伝ファンからもとても人気があるチームであり,多くのファンから上位で走ることを大きく期待されているチームの1つです。
まとめ
箱根駅伝は日本で最も人気なスポーツコンテンツの1つでありながら,「ただ何となく観戦している」という方も多いのではないでしょうか。
そのため今回紹介した記事を参考に,箱根駅伝の魅力を見出していただき,ぜひ前のめりで楽しんでいただけると嬉しいです。
また,応援したいチームなども見つけ出していただけると,より駅伝を楽しめるようになるので,今回紹介したチームをはじめとして,お気に入りチームを1つ見つけ出していただけるとますます面白さが伝わるのではないかと思います。
2023大会は少し先の話ではありますが,ぜひ参考になれば嬉しいです!
※本投稿のアイキャッチ画像は,箱根駅伝公式サイトより引用しています。
東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト (hakone-ekiden.jp)
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