世界陸上も9日目を迎え、いよいよ最終日に近づいてきました。
今まで日本代表のリレーと言えば4×100mリレーは「日本のお家芸」と呼ばれ、世界でもトップレベルの実力を持っていました。
一方、4×400mリレー(いわゆるマイル)については、日本は世界大会で思うような結果が出せず、2003年パリ大会以降は19年もの間決勝進出を逃し続けており、世界大会に出場しても予選敗退が続いていました。
しかし、今回のオレゴン大会では4×100mリレーが失格で予選敗退となり、今まで結果を残せていなかった4×400mリレーで日本代表は組2着で決勝進出を決めました。
明日の最終日の最終種目として、4×400mリレーが実施されるので、今回の記事ではメダル獲得の期待がされている4×400mリレーについて特集していきたいと思います。
4×400mリレー 日本代表選手について
まず、4×400mリレーの日本代表選手、特にリレーメンバーとして出走予定の4名について紹介していきます。
佐藤風雅選手(那須環境技術センター)
まずは、個人種目の400mで準決勝に進出を果たした佐藤選手です。
2022年に自己ベストである45秒40をたたき出すなど、日本国内でもトップ選手として注目されています。
栃木県を拠点に練習に取り組んでいる選手で、高校時代もインターハイへの出場経験がなく、全国的には知名度がなかった佐藤選手ですが、作新学院大学の熱心なスカウトを受けて大学入学後に大きくタイムを伸ばしました。
大学入学後は順調に伸ばしていき、2020~21年の全日本実業団陸上大会では400mで2連覇を果たしました。
社会人になった後は、フルタイムで仕事に取り組みながらトレーニングに励んでいましたが、現在は所属を那須環境技術センターに変更して、業務時間を短縮しながらではあるものの、社会人アスリートとして16時まで勤務したのちに、限りある時間を有効に活用しながら練習に励み、タイムを伸ばしてきています。
川端魁人選手(中京大クラブ)
続いて、こちらも400mで代表選手として出走した川端選手です。
陸上の名門中京大学で選手として活躍したのち、三重県で教員として競技を続けていた川端選手ですが、現在は中京大学のプレイングコーチとして競技を続けており、日本タイ記録をマークした東京五輪でも2走の選手として、4×400mリレーの代表として選ばれています。
2021年には400mで日本選手権を制するなど、実力をつけていますが、川端選手の特徴としては後半に伸びる粘りのある走りがあります。
東京五輪および今大会の予選でも4×400mリレーの2走として出走するなど、混戦となる2走においてラストで差をつける走りが持ち味となります。
ウォルシュ・ジュリアン選手(富士通)
続いては、日本のエースであるウォルシュ・ジュリアン選手です。
2016年のリオ五輪でも400mの代表になるなど、近年の400m界をけん引する選手となっているウォルシュ選手は、45秒13の自己ベストを持ち、日本歴代4位の走力を誇ります。
短距離の桐生選手が在籍中の東洋大学に入学し、2人とも東洋大学在学中にリオ五輪に出場したため、大学生オリンピアンとしても、当時はとても注目を浴びていました。
また、高校時代から世界大会で活躍してきたウォルシュジュリアン選手は、高校生の時には世界ジュニアに出場し、最強世代と呼ばれたメンバーとともに出走した4×400mリレーのでは、アメリカに次ぐ銀メダルを獲得しました。
しかも、その時の会場は、今大会と同じくユージーンで開催された世界ジュニア選手権だったのです。
そのため、ジュニア時代にメダルを獲得した地で再度メダル獲得が出来るかどうか、とても楽しみです。
中島佑気ジョセフ選手(東洋大)
最後は、リレーメンバーのうち唯一、個人種目では世界陸上で走る機会のなかった中島選手です。
中島選手も近年実力をつけ国内トップ選手として活躍をしておりますが、出身高校は今大会100mで入賞したサニブラウン選手と同じ城西大城西高校に通っていました。
城西大城西高校と言えば、大学生のころから400mで日本選手権を制したレジェンドアスリートの山村貴彦さんがクラブ顧問を務めており、サニブラウン選手も山村先生の下で大きくタイムを伸ばしていきました。
高校時代も2年生のころからインターハイ準決勝まで進むなど、着実に実力をつけてきていますが、中島選手も桐生選手・ウォルシュ選手らと同じく東洋大学に入学し、さらなる記録更新を果たしています。
ラストに定評がある選手なので、本日の予選でもラスト100mでジャマイカなど2チームを抜き去り、2位で予選突破した立役者と言っても過言ではありません。
予選の走りについて
それでは、予選の走りについて簡潔にまとめてみました。
1走の佐藤風雅(那須環境技術センター)選手が好スタートを切り、2番手争いで2走につなぎました。
2走の川端魁人(中京大クラブ)選手は、実力者が集う2走で、ラストまで粘りを見せ、3番手で走り切りました。
続く3走のウォルシュ・ジュリアン(富士通)選手は、ライバルチームと競り合いながら走り、ホームストレートで2番手争いを繰り広げたままアンカーにバトンパスをしました。
アンカーの中島佑気ジョセフ(東洋大)選手は、中盤まで2位争いの後方にいましたが、ラスト100mを切ったところでさらに勢いをつけ、ジャマイカなどを抜かしていき、2位に躍り出てそのままフィニッシュしました。
「1走の佐藤選手から上位争いを続け、2~3走は順位を維持しながら、アンカーでラスト勝負を制する。」といった、レース展開も非常によく、決勝でもメダル獲得への期待が出来るような走りを見せてくれました。
ライバルチームについて
いよいよ明日の最終日、最終種目として行われる4×400mリレーの決勝ですが、今回の決勝でライバルとなるチームを3つ紹介していきたいと思います。
今回、日本がメダル獲得に向けてライバルになりうるのは、アメリカ、ジャマイカ、ベルギーの3チームです。
アメリカ
まずはアメリカです。
400mで優勝したマイケルノーマン選手擁するアメリカは、4選手の持ちタイム合計でも唯一2分台のタイムを持つなど、圧倒的な走力を誇っています。
予選では日本と同じ組で走り、余裕を持ちながらも2分台でゴールするなど、非常に強いチーム力です。
4×100mリレーとは異なりバトンミスも多くは生じない種目であるので、かなりの確率でメダル争いをしてくるのではないかと思います。
ジャマイカ
続いてはジャマイカです。
100~200mの強さが目立つジャマイカですが、近年は400m選手の走力も着実に上がってきています。
ベスト記録年はアメリカに次ぐ記録である2分56秒台のタイムを持っており、3分00秒の日本記録を持っている日本と比べると、実力で言えば大きく勝っています。
短距離選手の実力があるジャマイカは、今回の予選同様に、前半に飛ばす選手が多く、2走までに大きなリードを作る可能性が高いです。
そのため、日本人選手は予選で見せたように、焦らず後半まで体力を温存する走りができると十分決勝でも戦えるかと思います。
ベルギー
最後に注目したいのがベルギーです。
目立つ選手はいないものの、45秒台前半の選手をそろえており、日本と同じくバランス型で走り切れるのが特徴のチームです。
4選手の自己ベストの合計で言えば、ジャマイカとも遜色のないタイムを持っているので、特に日本と競り合いながら走るライバルチームになるのではないかと思います。
強豪揃いの決勝ではありますが、予選ではジャマイカより先着した日本は、決勝でも実力を発揮すれば初のメダル獲得を期待できるのではないでしょうか。
ぜひ期待して決勝を観戦してみましょう!
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