本日、陸上界で嬉しいニュースが届いてきました。
女子やり投げの日本代表である北口榛花選手がオレゴン世界陸上にて銅メダルを獲得したというニュースです。
なんと投てき種目において日本女子選手がメダル獲得をしたのは、五輪を含めても今回が初めてということで、いかに北口選手が快挙を成し遂げたかお分かりになるかと思います。
今回は、世界陸上でのパフォーマンスおよび銅メダルまでの道のりをまとめていきたいと思います。
世界陸上で銅メダル!気になるパフォーマンスは
大会6日目の7月20日に、北口選手は64メートル32センチという、今シーズン自己ベストの記録となるビッグスローを見せ、全体の1位で決勝進出を決めました。
近年のシーズンでは66メートルの日本記録を樹立したり、陸上における世界最高峰の大会「ダイヤモンドリーグ」に先月出場し、女子やり投げで日本選手初の優勝を果たすなど、大きな期待の中で決勝の舞台に臨むこととなりました。
決勝で北口選手は1回目から62メートル7センチをマークし、ビッグスローで序盤からリードをしましたが、その後は記録を伸ばすことができず、5回目ではファウルでした。
その後は他のライバル選手たちが記録を伸ばしていったため、5回目を終えて北口選手は5位となりましたが、最後の6回目で63メートル27センチを投げ、6回目終了時点で2位まで浮上しました。
最終的にはライバル選手に記録を抜かれたものの、日本女子選手初の銅メダルを獲得しました。
世界陸上銅メダルまでの道のり
今回、世界陸上で銅メダルを獲得した北口選手ですが、意外にも競技歴はそこまで長くなく、高校入学とともにやり投げ種目で陸上競技を始めました。
幼いころから水泳やバドミントンをしており、バドミントンでは小学生のころに全国優勝するレベルの運動神経の持ち主でした。
中学生のころまでは水泳とバドミントンの2種目を続けていましたが、旭川東高校への入学後は、競泳と陸上の2種目に取り組み、二刀流アスリートとして競技に取り組んでいました。
そして、その後は競技歴2か月だけで、やり投げで北海道チャンピオンになるなど、陸上でも大きな実績を残していくようになりました。
実際に、高校2年生のころには全国高校早退での優勝を果たしたり、競技歴3年目で出場した世界ユースでは、日本人女子選手初のやり投げでの優勝を果たすなど、日本だけにとどまらず、世界でも注目される選手となっていきました。
加えて、高校時代には短距離のサニブラウン選手や走り幅跳びの橋岡選手とともに、「ダイヤモンドアスリート」に選出され、東京五輪で活躍を期待する若手アスリートとして日本陸連から認定されました。
その後も、大学入学後には日本歴代2位の記録をたたき出すなど、順調に実績を積み上げてきましたが、19年には大きな転機が訪れました。
19年にやり投げ王国チェコでジュニア世代のナショナルコーチをしている、デービッド・セケラックコーチに師事することになったのです。
19年からは、やり投げ大国出身のコーチの厳しい練習に取り組んできましたが、コロナ禍では、オンラインでの指導を受けるようになり、文章や動画で状況をこまめに報告しながら練習をこなしていきました。
その後、順調に記録を伸ばしてきた北口選手は、東京五輪でもメダル獲得を期待をされていたものの、予選の投擲の際に左脇腹を負傷してしまい、決勝は欠場となりました。
東京五輪での悔しさを感じた北口選手は、コーチとさらに連携を深めていき、世界大会での優勝を目指し、気象条件なども詳しく分析して練習に取り組むなど、より質の高い練習をするようになりました。
その結果、2021年以降のシーズンでは日本記録の大幅更新やダイヤモンドリーグでの日本人初優勝など、世界トップレベルの選手として、より高いパフォーマンスを発揮するようになりました。
そのような道のりの中で、今回の世界陸上銅メダルを手にすることとなりました。
気になる今後について
北口選手は、さっそく本日の試合後に次回の世界大会に向けた抱負を語っています。
「ここがまだまだ私のゴールじゃなくて、これからも金メダルを目標に頑張りたいと思います。」
東京五輪の影響で今回のオレゴン大会は1年の延期の末開催されました。
そのため、次回の世界陸上ハンガリー大会はブタペストにて2023年8月に開催予定です。
絶好調を続けている北口選手であれば、次回大会では同年代の日本人選手とともに金メダルを獲得できると期待しても良いのではないでしょうか。
ぜひ、読者の皆様も北口選手を注目してみてください!
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