【世界陸上】メダル期待!4×400mリレー日本代表チームについて

引用元:チームJAPAN:日本陸上競技連盟公式サイト (jaaf.or.jp)

世界陸上が開催してから2日目を迎え、日本代表選手の活躍が目立つようになってきました。

特に男子400m予選において、
佐藤拳太郎(富士通)選手が日本記録の44秒77、
佐藤風雅(ミズノ)選手が日本歴代3位の44秒97、
中島佑気ジョセフ(東洋大)選手が日本歴代7位相当の45秒15
のタイムで予選突破をしたというとても嬉しいニュースが飛び込んできました。

4×400mリレー(いわゆるマイル)については、日本は世界大会で思うような結果が出せず、2003年パリ大会以降は19年もの間決勝進出を逃し続けていました。世界大会に出場しても予選敗退が続いていました。

今まで日本代表のリレーと言えば4×100mリレーは「日本のお家芸」と呼ばれ、世界でもトップレベルの実力を持っていましたが、今回のブダペスト大会では、今まで結果を残せていなかった4×400mリレーで表彰台の可能性が出てきました。

最終日の最終種目として、4×400mリレーが実施されるので、今回の記事ではメダル獲得の期待がされている4×400mリレーについて特集していきたいと思います。

4×400mリレー 日本代表選手について

4×400mリレー日本代表は近年目覚ましい活躍をしており、前回の世界陸上オレゴン大会ではメダルまであと一つの4位入賞を果たしています。

今回の代表メンバーについては、前回大会のメンバーと比較しても1・2段階上の記録を持つ選手たちが集まっているため、表彰台および金メダルも期待できるのではと注目されています。

ここからは4×400mリレーの日本代表選手、特にリレーメンバーとして出走予定の4名について紹介していきます。

佐藤拳太郎選手(富士通)

まずは、今大会の400m予選で日本記録をマークした佐藤拳太郎選手です。

城西大学で選手として活躍したのち、富士通に所属し記録を伸ばし続けている佐藤拳太郎選手ですが、世界大会に日本代表として選ばれた回数は非常に多く、オリンピック(20東京、16リオ)・世界選手権(23ブダペスト、19ドーハ、17ロンドン、15北京)と数多くの世界大会の雰囲気を味わっています。

2023年7月には400mでアジア選手権を制するなど国際大会での勝ちきる実力をつけていますが、佐藤拳太郎選手の特徴としては前半から積極的に走り、最後まで切れないスタミナがあります。

そのため、とにかく万能な走りができることが特徴の選手であるだけでなく、予選で日本記録を出すなどノリに乗っている選手なので、1走から4走のどこで走っても活躍することでしょう。

佐藤風雅選手(ミズノ)

2大会連続で個人種目の400mで準決勝に進出を果たした佐藤風雅選手です。

2022年に自己ベストである45秒40をたたき出してから順調に自己記録を伸ばし、日本国内でもトップ選手として注目されています。7月のアジア選手権でも、佐藤拳太郎選手に続いて2位となっており、世界大会での活躍も期待できる選手です。

栃木県を拠点に練習に取り組んでいる選手で、高校時代もインターハイへの出場経験がなく、全国的には知名度がなかった佐藤選手ですが、作新学院大学の熱心なスカウトを受けて大学入学後に大きくタイムを伸ばしました。

大学入学後は順調に伸ばしていき、2020~21年の全日本実業団陸上大会では400mで2連覇を果たしました。

社会人になった後は、フルタイムで仕事に取り組みながらトレーニングに励んでいましたが、その後所属を那須環境技術センターに変更して、業務時間を短縮しながらではあるものの、社会人アスリートとして16時まで勤務したのちに、限りある時間を有効に活用しながら練習に励み、タイムを伸ばしてきていました。

今年度から所属をミズノに変えることで、より競技に集中して取り組むことが出来ているため、自己ベストタイムも順調に伸ばしてきています。

今大会400m予選では、ついに日本人3人目となる44秒台をマークしているため、このまま日本チームに勢いを与える選手になることは間違いないでしょう。

中島佑気ジョセフ選手(東洋大)

続いて、日本歴代6位の記録を持ち、今年度の日本選手権優勝者の中島選手です。

中島選手も近年実力をつけ国内トップ選手として活躍をしておりますが、出身高校は今大会100mで入賞したサニブラウン選手と同じ城西大城西高校に通っていました。

城西大城西高校と言えば、大学生のころから400mで日本選手権を制したレジェンドアスリートの山村貴彦さんがクラブ顧問を務めており、サニブラウン選手も山村先生の下で大きくタイムを伸ばしていきました。

高校時代も2年生のころからインターハイ準決勝まで進むなど、着実に実力をつけてきていますが、中島選手も桐生選手・ウォルシュ選手らと同じく東洋大学に入学し、さらなる記録更新を果たしています。

ラストsパートに定評がある選手で、本人もアンカーでの出場を希望しているなど、ラスト100mで他チームを引き離す走りをしてくれるでしょう。

今泉堅貴選手(筑波大)

最後は、現役大学生の今泉選手です。

7月に行われたアジア選手権では男女混合4×400mリレーの代表になり、3位入賞するなど、今後の400m界をけん引する選手となることが期待されている今泉選手は、45秒54の自己ベストを持ち、日本選手権でも上記の3選手に続いて4位に入賞しています。

福岡出身の選手であり、中学時代から全国大会の決勝に出場し続けている選手のため、世代のトップ選手として常に注目を浴びています。

アジア選手権は初の国際大会出場にもかかわらず、決勝では1走としてトップでバトンリレーをしました。しかし本人としては3位入賞にとどまったことに悔しさをにじませていたため、今大会での走りでその悔しさを晴らしてほしいです。

日本チームの走りについて

それでは、日本チームの走りについて簡潔に予想してみます。

ずばりこのオーダーで走るのではないでしょうか!
1走:佐藤風雅選手
2走:佐藤拳太郎選手
3走:今泉堅貴選手
4走:中島佑気ジョセフ選手

1走の佐藤風雅選手が好スタートを切り、上位で2走につなぎます。

2走の佐藤拳太郎選手は、実力者が集う2走で、ラストまで粘りを見せ、1・2番手まで死守するのではないでしょうか。

続く3走は安定感のある今泉堅貴選手が務め、ライバルチームと競り合いながら走り、ホームストレートで3番手争いあたりを繰り広げたままアンカーにバトンパスをします。

アンカーの中島佑気ジョセフ選手は、ラスト100mを切ったところからのスパートに定評があるため、ライバルチームを抜かしていき、上位争いをするのではないでしょうか。

1走と3走が変わる可能性もありますが、おおむね上記のような戦況になることが予想されます。

「1走の佐藤選手から上位争いを続け、2~3走は順位を維持しながら、アンカーでラスト勝負を制する。」といったレース展開をして、決勝でもメダル獲得への期待が出来るような走りを見せてほしいです。

ライバルチームについて

最終日、最終種目として行われる4×400mリレーの決勝ですが、今回の決勝でライバルとなるチームを3つ紹介していきたいと思います。

今回、日本がメダル獲得に向けてライバルになりうるのは、アメリカ、ジャマイカ、ベルギーの3チームです。前回大会の上位3チームですが、今大会でも安定した実力を誇っています。

アメリカ

まずはアメリカです。

前回大会に400mで優勝したマイケルノーマン選手が欠場を表明したアメリカですが、4選手の持ちタイム合計でも唯一2分台のタイムを持つなど、圧倒的な走力を誇っています。

余裕を持ちながらも予選から2分台でゴールすることも想定されるなど、非常に強いチーム力です。

4×100mリレーとは異なりバトンミスも多くは生じない種目であるので、かなりの確率でメダル争いをしてくるのではないかと思います。

ジャマイカ

続いてはジャマイカです。

100~200mの強さが目立つジャマイカですが、近年は400m選手の走力も着実に上がってきています。

ベスト記録はアメリカに次ぐ記録である2分56秒台のタイムを持っており、3分00秒の日本記録を持っている日本と比べると、実力で言えば大きく勝っています。

短距離選手の実力があるジャマイカは、前回大会同様に、前半に飛ばす選手が多く、2走までに大きなリードを作る可能性が高いです。

そのため、日本人選手は焦らず後半まで体力を温存する走りができると十分決勝でも戦えるかと思います。

ベルギー

最後に注目したいのがベルギーです。

目立つ選手はいないものの、45秒台前半の選手をそろえており、日本と同じくバランス型で走り切れるのが特徴のチームです。

4選手の自己ベストの合計で言えば、ジャマイカとも遜色のないタイムを持っているので、特に日本と競り合いながら走るライバルチームになるのではないかと思います。

強豪揃いの決勝ではありますが、個人種目の400m予選で驚異の記録を連発している日本400mチームは、実力を発揮すれば初のメダル獲得を期待できるのではないでしょうか。

ぜひ期待して観戦してみましょう!

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